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隅切りの不思議

隅切りの不思議
著:誠和不動産販売  2021年7月更新

道を歩くと、道と道の交わる交差点を幾度なく横切ります。
普段何気なく通り過ぎるその角、『隅切り』がされていることにお気づきですか。

 

 隅切りとは 

 

道路と道路の角にある土地を斜めに切り取って、通行しやすくする/見通しを良くするために設けられるものを『隅切り』と呼びます。特に車の運転においては、これが有る無しで雲泥の差となることを、ドライバーの方であればよくご存知だと思います。



この隅切り、何故このように設けられているか、知ってみませんか。
ただ『なんとなく』で整備されているわけではありません。きちんと法令に基づいています。

 

 < 隅切りの其の①:東京都安全条例に基づくもの > 

 

特に狭い道が交わることの多い東京都。
街中の生活道路は意外と交通量の多いもので、地域住民の自家用車から宅配・運送のトラック、タクシーに至るまで多種多様な車輌が行き交います。当然、狭い道では特にロングノーズの車は曲がるたびに大変苦労することになります。

 

または、曲がる先が見通せなくて危険な思いをすることも珍しくはありません。
そのような道路では、道路と道路の交わる角の見通しを確保したり曲がりやすくするために、角となっている土地の一部を道路上に整備することになっています。



ポイントは3つです。


 

 隅切りの整備 

 

隅切りを整備するときは、『敷地の隅角を頂点とする底辺が2mの二等辺三角形』の形状で道路状に整備します。

隅切りをしたことで道路として整備された部分には、前述の通り建築物の建築や塀を設置することは認められていません。
しかし、『建築物の敷地面積』として算入することは認められています。



あまり例は見ませんが、高さ4.5m以上の部分には建築物を建築することもできます。高さでいえば2階の半分より上に当たり、3階を隅切りの上に被せることも可能です。(建築の現場においては現実的では無いため見かけることはほぼありません)

 

 < 隅切りの其の②:建築基準法(位置指定道路)に基づくもの > 

 

建築物の敷地は、必ず『道路に2m以上接していること(接道義務)』が求められます。
そのため、たとえば広大な1つの敷地を分譲するようなときは、それぞれの区画がその接道義務を満たせるように、新しく道路を造ることがあります。この道路は、建築基準法第42条1項5号に規定されるもので、通称『位置指定道路』と呼ばれます。



文末の『その位置の指定を受けた』が名の由来です。
新しく道路を造るということは、必然的に『角地』が出来上がります。
新しい道路は最初から安全には配慮されたものであることが望ましく、道路を造るときに①と同じ様に隅切りを設けることになります。

 

この『位置指定道路』の隅切りは、通常の角地とは違うルールが設けられています。



東京都建築安全条例による隅切りは『底辺が2mの二等辺三角形』でした。位置指定道路の隅切りは『1辺が2mの二等辺三角形』とされています。そのため、ほんの少しですが位置指定道路の方が広い隅切りとなります。

 

隅角が120度以上で隅切りが不要となる点は、建築安全条例と同様です。

 

ちなみに、位置指定道路にはやむを得ない理由がある場合に『片側隅切り』とすることが認められています。但し、その場合は底辺を4mとする必要があります。
あまり例は多く無いものの、たまに片側隅切りの道路を見かけることがあります。
何かしらの背景事情があって片側隅切りにした、というわけです。

 

 隅切りの免除 

 

位置指定道路の隅切りは、

 

 ① 既存の道路側が幅員9m以上あること
 ② 既存の道路に幅2m以上の歩道が整備されていること

 

この2つを満たすと隅切りを設けないことができます。

 

 まとめ 

 

ドライバー視点では、有るのと無いのとでは大違いな隅切り。街の整備、特にセットバックの整備が進むにつれて隅切りが整備されている角も多くなりました。その背景には、都市の建築法規を定めた建築基準法を補足する建築安全条例の存在があります。

 

杉並区では『狭隘道路拡幅整備事業』の中で、

 

 ① セットバックの整備
 ② 老朽化した塀の除却
 ③ 隅切り整備

 

それぞれに助成制度を設けています。

 

自宅前の道路が狭い。角地だけど見通しが悪い。なんとかしたいけど整備費用も高そうだし…そのようなお悩みがあれば、是非ご相談ください。
街を隅切りひとつから安全にしていきましょう。

 

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