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『 建築条件付き 』 とは?

『 建築条件付き 』 とは?
著:誠和不動産販売  2021年4月更新


 『 建築条件 』 について

 

土地の販売情報の片隅に、『建築条件』という文字を見たことはありませんか?

間違いなく、不動産の世界、更にはその中でも土地の販売情報の中にしか存在しないもの、それが 『 建築条件 』 です。
今回は、この『建築条件』について詳しく解説したいと思います。

 

 『 建築条件 』 とは? 

建築条件とは、  売主(もしくは売主の指定する建築業者)と、 『 建築請負契約 』 を締結すること を指します。
『建築条件付き』であれば、予め建物を売主(もしくは指定の建築業者)が建築することを前提とした土地の販売というわけです。
その反対が『建築条件無し』、建物の建築を依頼する建築業者・ハウスメーカーは自由に選ぶことができます。
 ※ その性質上、売主が一般個人や一般法人(非建築業者)の土地販売の場合は、建築条件を付けることは出来ません。

何故、土地の販売に『建築条件』が付けられると思いますか?これには2つの解が存在します。

 

① 売主が「土地の販売」と「建物の建築」で利益を上げることができる

売主は土地の販売で利益を上げることができます。
また、売主が建築ノウハウを有している場合は、更に建物の建築を請け負うことでそちらでも利益を上げることができます。

※ 副次的な要素ではありますが、建築工事を請け負うことで自社の工事部門(職人や技術者)の稼働率(雇用)を維持する効果もあります。

 

② 販売主体を 『 新築戸建(建売) 』 としているから

この解が 『 建築条件付き 』 の本旨です。土地販売の体裁を取っていますが、販売の主体が『新築戸建(建売)』に在るとき、建築条件を付けて土地を販売する方策が使われます。

 

 新築戸建(建売)の広告・販売規制について 

宅地建物取引業法(以下「業法」)において、『新築戸建(建売)』として広告すること・販売することが出来るタイミングは、『役所へ提出した建築確認申請が許可されてから』とされています。(”確認が下りる”と表現されることが多いです)
この建築確認申請が許可されると、『確認済証』と共に『確認番号』が発行され、それを経て初めて『新築戸建(建売)として広告・販売』が可能になるのです。

 

 確認済証を得るまでの流れ 

「土地を仕入れる→設計図を作製する→役所へ書類を提出する→確認済証を受け取る」
このプロセスには概ね3ヶ月前後の期間を要します。

販売する側の視点ではどうでしょうか。
『新築戸建(建売)を売りたいが、販売を始めるまで3ヶ月は待たなければならない』
タイムロスを少しでも減らしたいという意向が生まれます。

そこで、「土地を仕入れる」から「確認済証を受け取る」までの間は『建築条件付き土地』として販売する手法を使います。
そうすることで、売主で建物を建築することを前提にしつつ広告・販売活動を行うことができるためです。

 

 『 建築条件付き 』 の実態 

『建築条件付き』の実態や取り扱いは次の通りです。

● 土地の売買契約締結後、一定期間内(3ヶ月とされることが一般的)に売主もしくは指定された建築業者と建築請負契約を締結すること。

● 建築請負契約が締結されなかった場合(あるいは締結後に解除となった場合も含む)、土地の売買契約も連動して「白紙解除」となり、土地の代金として支払った金員は全て返還される。

● 建築を請け負う業者は、売主(その子会社を含む)もしくはその代理人とされる。
  ※ 実務的には売主と締結するケースが大半を占めます。

 

 

 『 建築条件付き 』 の購入方法・パターン

 

一口に『建築条件付き』と言っても、そこにはいくつかのパターンがあります。代表的なものを見てみましょう。

 

 ① 建物はフリープラン(条件は請負契約の締結のみ) 

建物の間取りやデザイン・仕様は注文者が自由に選択することが出来るパターンです(当然ながら、建築業者にて対応できる範囲に限られます)。建築する業者が決まっているのみで、建物の設計には希望の配置や細かい要望を一番取り入れることができます。注文建築に近いスタイルと言えます。大手ハウスメーカーや工務店と比較すると出来る範囲が限られる代わりに費用を抑えられる点が一番のメリットです。

 

 ② 建物はセミオーダー式 

建物の設計は大枠で決まっていて、一部を変更したり仕様をアレンジできるパターンです。
変更できる範囲は建築業者によって様々ですが、例えば、「1階に配置されたリビングを2階へ変更する」「お風呂の配置を変える」このような大掛かりな変更には対応できないことがほとんどです。過度な期待はできませんが、3部屋の洋室を「2部屋にして、そのうち1部屋は将来分割できるようにする」等のアレンジは出来ることもあります。

 

 ③ 建物の変更は一切できない 

建築請負契約の締結が、販売主体の『新築戸建(建売)』に帰結しているパターンです。
建物の間取りや仕様は一切変更できず、購入する側の視点では『新築戸建(建売)』の購入となんら変わるところがありません。
建築業者によっては、建築請負契約を締結するタイミングが早ければ、建具やフローリングのカラーを変更したり、(費用が要りますが)追加の造作工事は受け付けてくれるかもしれません。

 

 

 『 建築条件付き 』 のメリット

 

 メリット ①  注文建築に近いスタイルで新築戸建を建築(購入)することが出来る 

フリープランに対応している場合は、注文建築よりも費用を抑えつつ理想に近い建物の間取りを叶えられます。

 

 メリット ②  建物の完成イメージ・出来上がるまでの工程を描きやすい 

建物のデザイン・内装や仕様・間取りの特徴は、請負契約を締結する建築業者の完成物件にて確認することができます。
また、注文建築よりも選択肢が少ないことは、逆に「選択に悩む時間的コスト」を削減することにも繋がります。「何もかもを決められる」よりも「AかB選ぶ」方が、特に選択する・決断する機会の多い不動産購入のプロセスにおいては負担を少なくすることが出来て良いと捉えることができるかもしれません。

 

 メリット ③  仲介手数料を抑えることができる 

不動産業者へ支払う仲介手数料は、『宅地または建物の仲介』に対する報酬です。
詳しく解説するとコラム1回分になってしまうため(それはいずれまたの機会に)噛み砕きますが、『建築請負契約の締結』は仲介手数料の対象とはまったく関係ありません。

 

 『 建築条件付き 』 のデメリット

 

逆に、『建築条件付き』にはどのようなデメリットがあるでしょうか。


 デメリット ①  理想の建物が叶えられるとは限らない 

売主(もしくは指定の建築業者)と建築請負契約を結ぶことが条件になっている、つまり建物の仕様・デザインは自ずとパターンが限られることになります。「注文建築とは違う」という前提で考えましょう。外壁やフローリング・建具の『色味』は変えられることもありますが、『建築条件付きのパターン③』のような場合は、それすら出来ません。

 

 デメリット ②  建築請負契約ができないと、土地の売買契約も解除になる 

「理想の土地だけど、建物のイメージが合わない…」そうなったとき、選択を迫られることになります。


『土地を優先するか』それとも『建物を優先するか』によって、選択肢が2つあります。
一生にそう何度もあるわけではない不動産の購入、後悔しない決断をしたいものです。

 

 

  まとめ

 

今回は、よく見かけるにも関わらず『一体どういう仕組み?』と実態が分かりづらい『建築条件付き』について紐解いてみました。

『建築条件付き』は、実務的にはその大半が『新築戸建の販売を開始できるよりも前から、広告・販売を始めるための策』として用いられています。

文字だけを見れば『請負契約を結ぶだけ』にも見えますが、

 

● 売主(もしくは指定の建築業者)に、自分の希望の建物を建ててもらえる

● 細かいデザインや仕様をオーダーできる…etc

 

そういった自由度の余地が少ないことを覚えておいていただきたいと思います。

その上で、『良い土地を購入できる』ことにプラスして『建物のアレンジが出来るかもしれない(出来る場合は注文建築よりもコストを抑えられる)』とメリットを受け入れると、特に新築戸建を検討している方にはオススメできる選択肢になり得ます。

 

 余談 

どうしても土地は購入したいけど建物の希望も妥協したくない…そういうときは『建築条件を外せないか』と相談してみるのも手です。(不動産業界では『条件外し』と言われます)

『建築条件付き』に対するスタンスは売主によって様々です。

 

① 条件外しに応じられない

② 条件外しに応じるが、土地価格に上乗せが必要

 

どちらになるかは時と場合によるものの、選択肢を増やすことが出来れば、また違った未来も待っていることでしょう。

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