建築基準法の改正について | 誠和不動産販売株式会社

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建築基準法の改正について

建築基準法の改正について
著:誠和不動産販売  2020年9月更新

住宅購入の場面において、建築基準法が最もクローズアップされる項目をご存知でしょうか。
答えは、『耐震基準』です。

 

遡ること約100年前、建築基準法の前身となる市街地建築物法が1923年に施行されました。現代において不動産・建築物の分野は国土交通省の管轄ですが、当時は内務省・警察部局で許可制度という形式で運用をスタートしました。当時は名前の通り市街地にのみ適用されるもので、現代のように全国津々浦々へと適用されるのは1950年に建築基準法が制定されるまで待つことになります。
太平洋戦争を経て、官公庁組織の改変・消防法や建設業法の公布を経て、市街地建築物法が生まれ変わったのは1950年、ここに現代まで連なる建築基準法が制定されました。

 

以来、建築基準法は細かな改正を何度も繰り返していますが、とりわけ有名な改正は1981年(昭和56年)に耐震基準が改められたことです。1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震では、最大震度5を観測した仙台市をはじめとして、家屋の全半壊が実に7,400戸にも及んだそうです。この地震を教訓に、耐震基準は今日においても基準とされる『震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる』、より厳しい『新耐震基準』として規定されました。

 

戸建・マンションを問わず住宅を探す際には判断の大きな要素となり、近年では旧耐震基準の建築物には住宅ローンを融資しない金融機関も現れたことによって、より一層その傾向には拍車が掛かるようになりました。

 

耐震基準の改正は誰もが知っていると言っても過言ではありません。
そしてもうひとつ、建築基準法の改正で大きなターニングポイントとなった事件がありました。通称『姉歯事件』です。
事件のインパクトは社会的な規模だったことから、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 

事件そのものについてはここでは割愛致しますが、この事件によって新築にも関わらず耐震基準を満たさず建替えが必要となった建物について、当時は購入者が補償を受けられる制度が存在せずに苦しむこととなってしまいました。
2007年(平成17年)に発覚したこの事件を契機として、新築住宅の販売には瑕疵保険の付帯を義務付ける制度『住宅瑕疵担保履行法』が施行されます。この瑕疵保険へ加入するためには、建物の『構造計算』をすること、計算によって建物が地盤に掛ける圧力に耐えられるかを検査する『地盤検査』を行わなければなりません。(地盤検査によって強度が足りないと判明すると、地盤改良・補強工事をする必要があります)

 

実質的に全ての住宅建築において地盤検査が義務付けられたことで、建物の構造から地震に備える『新耐震基準』に、建物土台となる土地の『地盤検査』を合わせることで、我々の大切な住まいは成り立っています。

 

建築基準法は、時代の変遷や技術の進歩によって、それに即するよう度々改正されています。つい昨年(2019年)には、木造住宅の耐火性能向上を鑑みて、準防火以上の防火規制地域において耐火性能の高い住宅を建築する場合に建蔽率を10%緩和する改正がありました。杉並区内は全域が準防火以上の防火規制を受けているため、住宅を新築・建替える際には有効活用したい改正です。

 

< こぼれ噺 >

 

建築基準法の公布によって姿を消した旧来の市街地建築物法ですが、その残滓を『告示建築線』に見ることができます。
告示建築線とは、その名が示す通りその線を越えて建物を建築することを禁じるもので、2本引かれた線の間が空地となり道路として確保されます。制定当時の建築線は幅9尺(≒約2.7m)とされていて、建築基準法制定と同時に『2項道路』に生まれ変わりました。
一方で、幅18尺(≒約5.4m)で指定されていた建築線は、既に幅員4m以上が確保されているために2項道路にはなりません。

 

しかし廃止してしまうと道路が消滅してしまうことにも為りかねないため、告示建築線と同じ幅員の『位置指定道路』として残ることになりました。市街地建築物法の公布当時から存在した古い街では、今でもその名残を感じられる告示建築線に触れる機会があります。
 

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