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新耐震基準と旧耐震基準の違いは?

新耐震基準と旧耐震基準の違いは?
著:誠和不動産販売  2018年2月更新



今から66年前の1950年(昭和25年)に建築基準法が初めて制定されてから、大地震が起きる度に改定が繰り返されてきました。「地震大国ニッポン」に住む私たちにとって、地震対策は誰もが避けて通れない問題です。大地震はいつ、どこで発生するか予測がつきません。それだけに、今住んでいる家が大地震に耐え得る強度を備えているかどうかを気にしている人も多いのではないでしょうか?

それを見分ける簡単な方法の一つに「耐震基準」があります。耐震基準には「旧耐震基準」と「新耐震基準」があり、新耐震基準をクリアしていることが一定の耐震能力を備えているという目安になっています。では、新耐震基準とはどのような内容なのでしょうか?



 ターニングポイントは「1981年6月1日」


まず、現在の新耐震基準が導入されるまでの経緯をお伝えします。

そもそも建物というのは、自分が所有する敷地内であれば好き勝手に建てて良いわけではなく、守らなければならない一定の基準があります。それを定めた法律が建築基準法で、1950年に制定されました。建築基準法の中には耐震性に関する基準があります。これは建築基準法が1948年の福井地震の被害を受けて法制化されているからです。その後、大地震が発生する度に、建築基準法は改正されています。

例えば、1968年の十勝沖地震を受けた1971年の改正では、マンション内の鉄筋コンクリートの柱部を、より強固なものにするよう義務付けられました。また。同年の改正では、1964年の新潟地震で起きた液状化現象を受けて、木造建築でも基礎部分をコンクリートにすることが義務付けられています。なかでもターニングポイントとも言うべき大幅な改正が行われたのが、1981年6月1日です。これは1978年の宮城県沖地震を受けて改正されたもので、この改正以前を旧耐震基準、以降を新耐震基準と呼んでいます。


建築基準法の「新耐震基準」とは?

新耐震基準を簡単に説明すると、「大地震が起きても人命に関わる甚大な被害が出ないこと」と言えます。具体的に、建物の強度に関しては次のような基準があります。

 〇 震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと
 〇 震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと


これを旧耐震基準と比較しながら見てみましょう。


上の大規模地震については、旧耐震基準にはそもそも基準がありませんでした。
下の中規模地震については、「震度5程度の地震で倒壊しないこと」という基準になっていました。

つまり、旧耐震基準では「震度5で倒れない」だったのが、新耐震基準では「ほとんど損傷しない」に変わっています。言い換えると、「軽いひび割れ程度で収まる」ということです。
旧耐震基準で建築確認が下りた建物については、震度5クラスの地震が珍しくなくなっている現在の日本の状況には、そぐわなくなっていると考えられます。

こうした新・旧の耐震基準の差は、阪神・淡路大地震で発生した住宅被害の差として、はっきりと表れています。国土交通省の「阪神・淡路大震災による建築物等に係わる被害」によると、

 〇 死者数の大部分が建物等の倒壊が原因
 〇 現在の耐震基準を満たさない昭和56年(1981年)以前の建物に被害が集中


という2点が明記されています。具体的には、死者の88%が家屋・家具類等の倒壊による圧迫死と思われるものです。また旧耐震基準の70%近くの建物が、小破から大破以上の被害を受けたのに対し、新耐震基準ではその割合は30%以下まで抑えられていました。

このように大地震を想定して導入された新耐震基準は、阪神・淡路大震災で一定の機能を果たしたと言えるでしょう。



熊本地震で新耐震基準の建物はどうだったのか?

新耐震基準は2016年4月の熊本地震でも機能していたのでしょうか?

国土交通省国土技術政策総合研究所が発表した資料によると、震度7を2回観測するなど最も被害の大きかった益城町中心部では、

 〇 旧耐震基準による建物702棟のうち225棟が倒壊した
 〇 新耐震基準による建物1042棟のうち80棟が倒壊した

という点が明らかになりました。
倒壊率で見てみると、旧耐震基準では32.1%、新耐震基準では7.6%になっています。このように熊本地震においても、阪神・淡路大震災同様、新耐震基準が倒壊のリスクを減らすために機能していたことがわかります。

とはいえ、大規模地震を想定していた新耐震基準でも80棟が倒壊したという点も事実です。
これは震度7の揺れが2回も起きるなど想定外の規模であったことが理由として指摘されています。こうした原因分析と倒壊状況から、今後さらに耐震基準が強化されると予想されます。


建築基準法改正の具体的な内容

1.必要壁量規定の変遷
   (改正の度に壁の量の規定が増えています)


建築の必要壁量に関しては、建築基準法制定時に規定されましたが、その後の地震災害の教訓を踏まえ、1959年・1981年の2回改定が行われました。




2.木造軸組みの設置基準
   (2000年:建設省告示1352号)


壁の設置バランスが具体的に定められました。




3.木造の継手および仕口の構造方法
   (2000年:建設省告示1460号)


各接合部の接合方法が具体的に定められました。




最後に

杉並区では、昭和56年5月31日以前(旧耐震基準)に建築された建物を耐震診断する場合に、助成金制度を利用できます。※簡易診断は無料です。

また、その耐震診断に基づいて耐震改修工事をした場合には、耐震改修助成金制度もあります。
旧耐震基準で建築された建物を所有の方は、是非とも助成金制度をご利用ください。

 

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