ウッドショック再び | 誠和不動産販売株式会社

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ウッドショック再び

ウッドショック再び
著:誠和不動産販売  2022年6月更新


ウッドショックとは、ご存知の通り現在起こっている木材価格の高騰のことを指します。1970年代に起こった石油価格の高騰、通称オイルショックになぞらえて、このように呼ばれています。

新型コロナウイルスが世界的に蔓延し始めた2020年、アメリカの住宅建設は一時期落ち込んでいました。しかし、アメリカ政府が低金利政策を打ち出し、住宅購入する人々が増加したことや海外投資家マネーがアメリカ国内に流入したことを契機に、アメリカの住宅建築需要が増加したため木材需要が急激に増加しました。

また、コロナ禍で住宅ニーズが増えたことも、木材需要増加に影響を及ぼしています。そして、この急激な需要の増加に供給が追いつかず木材価格が上昇したというのがウッドショックといわれる所以になります。



 日本への影響 

日本の住宅建築の7割弱は輸入木材です。輸入木材を多用する戸建て住宅の価格にも影響が出ており、注文住宅や新築建売住宅では値上げが始まっています。

注文住宅の契約書を見ると、ウッドショック等による請負価格増額の可能性が特約として記載されるケースや新築建売の価格高騰など、場合によっては当初より予算オーバー、なんて事態にもなりかねません。これから注文住宅を建てる人は、請負価格の変動や工事期間の延長はありえるのかを工務店、ハウスメーカーに確認してみてください。



 ロシア問題 

現在懸念されているのがロシア発の「第2次ウッドショック」です。
ロシアは世界全体の木材輸出量の約2割を占める世界有数の森林大国。軍事侵攻に対する経済制裁で木材の輸入が難しくなり、価格高騰に再び影響が出ております。

また、価格高騰の波は木材だけにとどまりません。軍事侵攻によって、各国政府や企業がロシアに対して厳しい制裁措置を行い、ロシアは国際経済から締め出されつつありますが、その影響で世界的に価格が高騰している資源等もあります。
代表的なものとしては、ガスや石油をはじめとする燃料類、そしてアルミニウムや銅といった資源です。
アルミニウムや銅は、さまざまな建物を建造する上でも非常に重要な資源です。アルミニウムはサッシやカーテンレールなどに使用されることが多いほか、近年では柱や梁といった住宅骨子への利用も進んでいます。また銅は冷暖房設備や配管などに利用されており、こちらも現代の建設物に欠かせない資源となっています。アルミニウムや銅の不足と価格高騰は、建築資材のさらなる価格上昇にも今後つながるでしょう。

仕入れコストが増大すれば、当然利益率も下がり、また資材の納入スピードが滞ることで、建設スピードもスローなものとなっていきます。建築業界の苦しい状況は今後もしばらく続きそうです。



 まとめ 

建設コストが上昇すれば当然、不動産価格も上昇するため、新築物件の価格は当面は高い数字をキープすることになりそうです。
そして新築物件の価格が上昇すると、一部は中古物件に流れるため、結果的に不動産市場全体での価格底上げが発生することも予想できます。

これから物件の購入を検討している方は市況を考慮しなければなりません。今後、ウクライナ情勢に進展が見られたとしても、ロシアに対する国際的警戒は継続する可能性が濃厚で、ロシアへの依存傾向が高い資源の価格が元値レベルに戻るまでは、まだしばらく時間がかかりそうです。加えて、コロナ禍で起こった影響もまだ根本的な解決が見られないため、これらの動向にも引き続き目を向けながら、不動産購入を判断していく必要がありそうです。


 

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