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住宅ローン控除『1%』の錬金術はまもなく終焉へ

 

 

もはやマイホームの購入時に聞かないことは無い、料理のさしすせそのような言葉。
この住宅ローン控除は、今、ひとつの転機を迎えています。

 

 現行の優遇策 

 

住宅ローン控除は、『毎年末の住宅ローン残高の1%(上限40万円)』を、『10年間所得税から控除することが出来る』制度です。(新築住宅・注文建築の場合)

 

この制度は、令和元年10月の消費税10%増税に伴う特例措置として、

 

 ① 消費税10%が適用される住宅を購入する

 

 ②  新築住宅の場合 令和2年11月末までに売買契約を締結する  注文住宅の場合 令和2年9月末までに請負契約を締結する

 

 ③ 令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居すること

 

上記の条件を満たすと、住宅ローン控除の適用期間が3年間延長されて計13年間となっていました。
但し、新型コロナウィルス感染症の影響が随所に出ていることを鑑みて、②の期限は1年間延長され、③の条件は令和4年末迄と、それぞれ期限が延長されています。

 

ちなみに、延長された3年間は控除のルールが当初の10年間と異なり、『建物の購入価格の2%÷3』を3年に渡って控除(3年間の控除上限80万円)することとなっています。

 

この住宅ローン控除は上記の通り『毎年末の住宅ローン残高の1%(上限40万円)』を、その年の所得税から控除できるものですが…。

皆様は、住宅ローンの金利が、今、何%かご存知でしょうか。

 

そう、驚くことに変動金利は1%を大きく下回る金融機関が大半を占めています。
金利が高いと言われる『フラット35』ですら、借入条件によっては1%を下回ることがあります。

 

今回取り上げるのは、この『住宅ローンの金利』と『住宅ローン控除の1%』の差異によって生じる差益、いわゆる逆ザヤによる錬金術と称される節税についてです。

 

 会計検査院から指摘が… 

 

たとえば、6,000万円の住宅ローンを変動金利0.475%で35年間借入したとすると、住宅ローン控除を受けることの出来る総額は480万円となります。一方で、この期間を通して金利が変わらなかったと仮定すると、利息の支払いは13年間で325万円となります。(試算条件 借入先:都市銀行 金利:変動金利 返済方式:元利均等・ボーナス返済無し)

 

ちなみに余談ですが、当初の住宅ローン借入金額が5,310万円を上回ると、住宅ローン控除を10年間に渡って上限いっぱいで適用することができます。

 

利息の支払いよりも、所得税の控除額の方が大きい…この差益が『錬金術』と揶揄されていて、近年問題提起されていました。
勿論、この錬金術を国が見逃すはずがありません。

 

記憶に新しい平成30年度、会計検査院はこの住宅ローン控除の1%が妥当なのか?と一石を投じました。
会計検査院の報告書によると、平成29年に住宅ローン控除の適用を開始した納税者の中で、住宅ローンの金利が1%を下回っていたケースが実に78.1%に達しています。(母数:1748人)

 

もともと住宅ローン控除は、金利が高かった時代にその負担を和らげることを目的として導入された制度です。
そのルーツは古く、昭和47年(1972年)の『住宅取得控除』を原点としています。
金利の高かった時代が終焉を迎え、長き低迷の時代に移った後も、金利は乱高下を挟みつつ全体的に下落を続けるのを尻目に、住宅ローン控除の『1%』は不変のまま在り続けました。

 

会計検査院は、平成30年度決算検査報告の『租税特別措置(住宅ローン控除特例及び譲渡特例)の適用状況、検証状況等について』において、次のように述べています。

 

 “ 住宅税制租税特別措置の検証の内容を一層充実することにより、政策の実効性を高めていくとともに(中略) 
    適用実績等からみて国民の納得できる必要最小限のものとなっているかなどの検証を行うことが望まれる。 ” 

 

 展望 

 

今後、住宅ローン控除はどのような行く末を辿るのか。

 

令和3年度の税制大綱では、「1%を上限に支払利息額を考慮して控除額を設定するなど、控除額や控除率のあり方を22年度税制改正において見直す」と明記されています。

つまり、この『錬金術』は終焉することが確定しています。

 

本来、住宅ローン控除も含めて税制租税特別措置は、その必要性や政策効果を検証して『廃止も含めてゼロベースで見直しをする』ものとされています。当たり前のように在るものではなく、世の中の実態に合わせて都度都度変わって行くべきものです。
不動産の最前線に居る者としては、むしろ今までよく手が入らなかったものだと驚愕も覚えるほどです。

 

住宅の購入は、永い人生をどのように過ごすか。
それぞれのライフプランによって決められるべきのもの。
『住宅ローン控除で得するか、損するか』
目の前の些細なことに惑わされて判断を誤ってほしくはありません。

 

素敵なマイホームへ巡り会ってください。