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民法改正-不動産売買取引への影響

民法改正-不動産売買取引への影響
著:金成明洋  2017年12月更新

120年ぶりとなる民法の大改正法案が、2017年5月26日に参議院を通過し、6月2日に公布されました。

 

施行日は、公布の日から起算して3年を超えない範囲で政令で定める日とされています。大方の予想では、各業界の準備も鑑みて2020年の1月もしくは4月に施行されるとする見方が有力です。

 

以前のコラムでは不動産賃貸取引を主に取り上げましたが、この度は売買取引への影響を主として解説いたします。

 

1.「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ

 

これまでの民法では、瑕疵担保責任(現行民法570条)の規定が設けられていました。

 

瑕疵担保責任とは、売買の目的物に瑕疵(その物が取引上通常要求される品質が欠けている状態)があり、それが取引上要求される通常の注意をしても気が付かないものである場合に、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。不動産売買実務上も、瑕疵担保責任に関する紛争が多く見られます。

 

今回の民法改正では、この「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に名称が変更されるとともに、その責任の内容にも変更があります。

 

これまでの民法では、売主が瑕疵担保責任を負う要件は「隠れた瑕疵」と規定されていました。もっとも、今回の改正では、これが「契約不適合」という表現に改められました(改正民法562条)。

 

これは、売買の対象となった不動産の物理的な瑕疵(土壌汚染や雨漏り等)のみで責任の有無を判断するのではなく、主観的な要素(当事者が不動産売買契約においてどのような要素を重視していたか)を考慮しようとするものです。

 

例えば、買主が住宅建築を目的として土地を売主から購入した後に、何かしらの理由で建物の建築ができなかった場合に売主が責任を負うことなどが想定されます。

 

また、これまでの民法では不動産売買の目的物に瑕疵が存在した場合、その瑕疵を修補(修理や補修)したり、瑕疵のない代替品や不足分を求めること(これを「追完請求権」といいます)は実務上認められなかったと言えます。

 

今回の改正では、この追完請求権が明文で規定され(改正民法562条)、不動産についても追完請求権が認められることになりました。

これによって、例えば購入した建物に、後日売買時点で雨漏りが存在することが発覚した場合には、これまでは損害賠償請求をするか、(当該雨漏りが重大なものである場合は)契約解除をするしかありませんでしたが、売主に対してその雨漏りを修補することを求めることができるようになりました。

 

更に、今回の改正では、この代金減額請求権も明文をもって認められることになりました(改正民法563条)。

買主にとっては、契約に適合しない不動産を購入してしまった場合の救済メニューが拡充されたと言えますが、売主から見れば責任が重くなったと言えます。売主は、不動産を売却するにあたっては、従来以上に売買の目的となる不動産の現況確認等を慎重に行う必要があるでしょう。

 

2.いつから改正民法が適用されるか

 

改正民法は、施行日以降に締結された売買契約から適用があるものとされています(附則34条1項)。

恐らく2020年1月1日もしくは4月1日とされる可能性が高いと思われます。

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