空家控除 | 誠和不動産販売株式会社

空家控除
著:誠和不動産販売  2019年1月更新

少子高齢化と都市への人口流入に伴い、特に地方において所謂「空家」が深刻な問題となってきています。
地方から進学に伴い上京し、そのまま就職・定住することが一般的となった昨今、相続が発生すると地方に残された住宅は空家となります。相続人に利用の意思がある、あるいは買い手がつくなど流通性の高い不動産であれば問題とはなりにくく、この問題は地方でも利便性の高い地域や人口流入の激しい都心部ではまだ顕在化していません。

しかし、相続人が複数いる場合において、意見の食い違いがあるなどして遺産分割が成立しないこともあり、そうなると住宅は利用されず「空家」となります。

現行の不動産登記法において、登記は義務とはされていません。
相続が発生しても登記されずに放置されている空家などは所有者の特定に非常に手間や時間が必要となり、不動産の流通性を著しく阻害していることがこの問題の根幹ではありますが、それは別の機会にまたお話します。
今回は空家の流通を促進するべく施行されている「空家に係る譲渡所得の特別控除」の延長についてお伝えしようと思います。

制度の概要は「居住用財産の3000万円特別控除」と似ており、相続・遺贈により取得した被相続人が居住していた家屋を譲渡した場合に、その譲渡所得から3000万円を控除することが出来ます。



この特例を受けるためには家屋やその状況にいくつか条件があります。

① 昭和56年5月31日以前に建築されたものであること(旧耐震基準で建築されたもの)
② 相続の直前まで被相続人が居住していたこと
③ 相続発生時から譲渡までの間に賃貸などの事業に使用されていないこと
④ 相続発生時から3年を経過する年の12月31日までに譲渡すること


これらの条件を満たす空家の譲渡をする場合に特別控除の適用が出来るため、相続した家屋の早期流通を促進することで空家の発生を抑制することが期待されています。
この制度は平成28年から施行された新しいものであるため、まだまだ認知されていないことが課題です。

一方で空家問題は今後更に深刻化していくことが予想され、その抑制と空家の流通性を向上させることは不動産業界の喫緊の課題であると言えるでしょう。そのため、平成31年度の税制大綱においてこの「空家に係る譲渡所得の特別控除」は、当初予定されていた平成31年末での打ち切りを4年間延長する方針であることが報じられました。
遺産分割協議の期限を10年とする民法改正の方策もあり、我が国における空家の現状とその対策への本気度が伺えます。

また、上記の②居住の要件について現状では適用外となっていますが、昨今は被相続人が介護施設や老人ホームなどへ入居しているケースも多い時代背景を鑑みて、要件を緩和して対象とすることも検討されています。

東京都においてこの空家の問題が顕在化するのはもう少し先になると見込まれますが、いつかは必ず直面する「すぐそこにある現実」です。
 

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