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成年後見制度改正-2026年6月改正-使い勝手が大幅に向上

成年後見制度改正-2026年6月改正-使い勝手が大幅に向上
著:金成 明洋  2026年8月更新


2026年6月17日成年後見制度の見直しを盛り込んだ改正民法が成立しました。2000年から始まった成年後見制度ですが、総利用者数約26万人と推計1,300万人の潜在ニーズに対して僅か2%程度の利用率と低迷していました。
原因は「使い勝手の悪さ」の一言で片づけられます。
後見制度の意義は超高齢化社会の日本において、認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人を法律的に保護し、支えることです。
今回のコラムでは、本来社会的に有用な後見制度について、従前と改正後を対比して解説していきます。



 1. 成年後見制度とは 

認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が十分でないため、金銭管理、福祉サービスの契約や不動産売買などの行為を自分で行うことが困難であったり、また、リフォーム詐欺などの悪徳商法の被害に遭う恐れがあったりする人がいます。
成年後見制度は、こうした判断能力の十分でない人の権利を守るため、援助者として成年後見人等を選び、法律的に本人を保護する制度です。



 2. 現行の成年後見制度の課題 

 終身制 

現行制度では、一度利用申立てすると原則として「終身性」となっていて、基本的に本人の判断能力が回復しない限り、途中の制度終了は不可能です。特に認知症の場合、後見開始後に判断能力が戻るケースはほぼなく、結果として「死ぬまで続く制度」として捉えられています。

 費用負担 

制度が一生続くということは、費用の負担も一生続くことを意味します。現在、後見人の約8割以上は親族ではなく、弁護士や司法書士などの専門職が選任されています。専門職が就くと、毎月2万円〜6万円程度の報酬を、親の財産から亡くなるまで支払い続けなければならず、これがご家族にとって重い負担となっています。


 3. 改正後の成年後見制度 

「使いにくさ」を解消するため、今回の改正案では以下のような画期的な見直しが行われます。

 「必要な時だけ」のスポット利用が可能 

最大のポイントは、「終身制の廃止」です。 実家の売却や遺産分割協議など、特定の目的のために制度を利用した場合、その手続きが完了して財産管理の必要性が低くなったと家庭裁判所が認めれば、途中で制度を終わらせることができるようになります。あらかじめ期間を定めた利用も検討されており、「一生の縛り」から解放され、ライフステージに合わせて必要な期間だけ利用することができるようになります。

 補助に一本化 

これまでの「後見・保佐・補助」という3つの枠組みが廃止され、本人の意思を最も尊重できる「補助」という仕組みに一本化されます。 一律にすべての権限を取り上げるのではなく、「この不動産の売買の手続きだけ手伝う」というように、本人の能力や生活状況に合わせて、必要な範囲にだけ限定して権限を設定する方式に変わります。これにより、ご本人が自分でできることはそのままに、本当に必要な部分だけをサポートする「真のオーダーメイド型支援」が実現します。

 後見人の交代がスムーズに 

これまでは、後見人に不正がない限り途中で交代させることは困難でした。
しかし改正後は、状況の変化に応じて柔軟に交代できるようになります。 例えば、「最初の複雑な法的手続き(不動産売却など)は司法書士に任せ、それが終わって日常的な生活支援が中心になれば、ご家族や福祉関係者にバトンタッチする」といった合理的なリレーが可能になります。


現行制度と改正後の比較表




 4. 新制度への移行はいつから? 

今回の法改正は、成立後すぐに適用されるわけではありません。法律上、施行日は「公布の日から2年6か月以内の政令で定める日」とされています。
これは、家庭裁判所や行政機関のシステム改修、現場での運用ルール整備など、実務上の準備期間を確保するためです。
そのため、実際に新制度を利用できるようになるのは、早くても2028年ごろになる可能性があります。今後は施行に向けて、制度の具体的な運用設計が本格化していく見込みです。



 5. まとめ 

今回の改正は、従来の「終わることのない」成年後見制度から、利用者・家族の意志を尊重した柔軟設計への転換を目指すものです。

 ● 「何年だけ使いたい」に応える期間設定。
 ● 「不動産売却だけ」「医療契約だけ」「遺産分割だけ」などの代理限定。
 ● 本人・家族の意志が反映される後見人選任。
 ● 財産だけでなく作業量に応じた報酬基準の導入。


これらの変化は、家族や本人にとって安心して使える制度へ大きく前進します。
成年後見制度について、興味があるお客様は相談無料となりますので、お気兼ねなくご相談ください。
地域社会のため、地域のお客様のために、地元の不動産会社としての責任を全うさせていただきます。



 

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