消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して課税される税金で、消費者が負担するものの、事業者が納付します。不動産に関しては、購入したとき、売却したとき、賃貸しているときに消費税を負担する場面が発生します。
1.購入したとき
住宅とその敷地を取得した場合、建物に消費税が課される課税取引で、土地には課されない非課税取引となります。
住宅等を購入した際に支払う各種代金・費用等についてまとめたのが、以下の表となります。
| 項目 | 課税 | 非課税 |
|---|---|---|
| 売買代金等 | ・建物の売買代金・住宅の新築、リフォームの工事代金 ・不動産の仲介手数料 ※売主が課税事業者ではない個人の場合は、消費税は課税されません。 |
・土地の売買代金 |
| 登記費用 | ・司法書士への手数料 | ・登録免許税 |
| ローン費用 | ・ローン事務手数料 | ・火災保険料、保証会社への保証料 |
2.売却したとき
① 課税売上げ
賃貸用を含む事業用の不動産を譲渡した場合、建物は課税取引に該当します。ただし、消費税は課税事業者に課せられるため、課税事業者ではない個人が居住用不動産を譲渡しても、消費税は課税されません。
個人が課税事業者となるのは、原則として基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円超である場合です。例えば、賃貸アパート経営者がアパートと駐車場を別個に所有し、年間の家賃収入(非課税)が1,200万円、駐車場賃料収入(課税)が300万円の場合、課税売上高は1,000万円以下であるため、免税事業者となるので、消費税の負担はありません。
② 賃貸アパートを譲渡した場合
上記①の個人が2年後に敷地を含む賃貸アパートを4,000万円(土地・建物各2,000万円)で譲渡した場合、建物譲渡価額2,000万円が課税売上げに該当します。その年の基準期間は2年前で、課税売上高は300万円なので、譲渡した年で消費税の納税義務はありません。
しかし、賃貸アパートを譲渡した年の翌々年は基準期間の課税売上高が2,300万円(2,000万円+300万円)で課税事業者となるため、その年の駐車場収入300万円に対して消費税を納税する義務が生じます。
3.賃貸しているとき
不動産の貸付けで、店舗・事務所等の家賃や駐車場賃料は消費税の課税売上となります。
一方、住宅家賃や単なる土地の貸付けは非課税です。個人の場合、基準期間の課税売上高が1,000万円超になると課税事業者となり、消費税の納税義務を負います。
消費税は、原則として、すべての取引で受け取った消費税額と支払った消費税を集計し、その差額を納税します。ただし、基準期間の課税売上高が5,000万円以下であれば、届出により簡易課税を選択することができます。
簡易課税では、売上げにかかる消費税に、事業の種類の区分に応じたみなし仕入率を乗じて算出した金額を、売上げにかかる消費税額から控除することになります。この場合、課税売上高に対して消費税額の計算が可能です。不動産業は第6種事業に区分され、みなし仕入率は40%です。例えば、年間の課税売上高が1,100万円の場合、売上げにかかる消費税額は100万円なので、ここからみなし仕入率40%分を控除すると、納付すべき消費税額は60万円(=100万円-100万円×40%)となります。
4.まとめ
このように不動産取引は、課税取引と非課税取引が混在します。政策的な目的や課税になじまない取引については、非課税の規定があり、土地の譲渡・貸付け及び住宅の貸付けがその非課税取引に該当するので、細心の注意が必要となります。





