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越境にご用心

越境にご用心
著:誠和不動産販売  2018年6月更新


昨今は法令遵守や安全取引といった意識が高まり、それはこと不動産の分野において顕著であると言い得る時代になりました。
杉並区に限りませんが、特に東京都では旧来の密集した住宅街において避けられない問題のひとつに「越境」があります。


屋根や庇・雨樋の一部が他人の敷地に掛かっている解りやすいケースだけでなく、実は植木の枝葉の浸食も越境に当たります。
また、古くからある住宅地は、特に上下水道やガス管等地下に埋設されている配管が越境していることも多々あります。電線が他人の敷地の空中を横切っているケースも越境の一例です。

越境のある不動産の売買は特に注意が必要です。そもそも越境が問題となる不動産はまず土地の境界が明確でないことが多く、境界のように見えるブロック塀が実はどちらかにズレていることも多々あります。境界の確認を行った結果、越境が判明することもあり、見えている範囲だけで容易に判断することは禁物です。







今日の不動産取引において越境の是正は必須と言えます。解決しないままでは取引することは出来ません。
是正のための解決策は2通りあります。


   ① 所有者が越境の是正工事を行う
   ② 隣地所有者と話し合い、越境の確認と是正の覚書を取り交わして継承する



建物の一部が越境している、あるいは植木が越境しているケースなどは、建物を解体して更地にしてしまえば解決します。
建物を解体しない場合でも庇や堀の一部であれば撤去の余地がありますが、配管や建物の一部が越境しているケースは難しいものとなります。工事の費用や撤去の手間は煩わしいものではありますが、可能な限り是正工事を済ませることが望ましく、それが出来ない場合でも、覚書の取り交わしは最低限必要です。



隣地から越境されている場合は?

では、逆に隣地から越境されている場合はどうでしょうか。
他人の所有物を勝手に撤去することは出来ません。樹木や植栽の枝葉であれば対応は容易ですが、建物の一部や水道の配管などは即時の対応を望むことは難しいでしょう。
また、撤去するにあたっては当然に費用が発生するため、多くの所有者は撤去に関しては消極的です。撤去に協力的ですぐにでも対応してくれるとは限らないため、将来の再建築の際に越境を是正する旨の覚書を交わすことが現実的な策でしょう。

ご所有不動産に関して、過去に継承した覚書の有無や配管の図面などがあれば、今後自身の取引や隣地の取引の際にとても有益な資料となりますので、確認してみましょう。

どちらのケースも同様ですが、覚書の締結も出来ない場合、不動産の売却はとても難しいものとなります。
トラブルに発展する要因を抱えた不動産の購入に二の足を踏む人は多く、実際にそこで暮らすこととなった場合でも、平穏無事な生活を期待することは出来ないでしょう。

近年は、新築する際にブロック塀や植木はもちろんのこと、配管や架線に至るまで他人の敷地に越境しないよう配慮されていることが多くなりました。しかしながら、未だに旧来の越境物を抱えた不動産もまだまだ多く、その多くは隣地とのトラブルの原因にもなり得ます。所有者にとってはもちろんのこと、不動産の購入を検討している方にとっても越境の有無は大きな関心事です。

越境している場合の是正の見通しや対策を事前に講じる、越境されている場合の撤去に係る覚書の継承など是正に向けての道筋を出来るだけ明るくしておくことが、不動産取引の安全性を高め、引いては越境物の無い街区の整備へと繋がっていくこととなります。

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